目次
1.ユーティリティのシャフトはカーボンとスチールどっちがいい?
2.自分に合ったユーティリティの長さと重さと硬さの選び方
3.ユーティリティのヘッド形状によるシャフトの選び方
4.シャフトによる弾道の違い
5.ユーティリティのシャフト交換の際の注意点
6.シャフトに合ったグリップ選び
7.まとめ
1.ユーティリティのシャフトはカーボンとスチールどっちがいい?
ほんの十年程前までゴルフクラブでドライバーとアイアンの間をうめるクラブとしてはフェアウェイウッドが主流でしたが、今ではキャディバックの中に入っていない人の方が珍しいくらいにまでユーティリティが浸透しました。
そんなユーティリティも番手だけで決められるフェアウェイウッドとは違い、スペックバリエーションの多さにどれを選んで良いのか分からないという方もまだまだいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそのスペックの中でも自分に合ったクラブシャフト選び、特にカーボンシャフトとスチールシャフトどちらを選んだら良いのか、についてお話ししたいと思います。
ドライバーやフェアウェイウッドには、ご存知の通りカーボンシャフトがセッティングされています。これは長いクラブを振りやすくするため、軽いカーボンシャフトを使って最適な重量にするためと、よりシャフトのしなりを使って飛距離を出すためです。
これに対してアイアンは安定性を求めるためにスチールシャフトが主に使われています。世に出ている7,8割のアイアンはスチールシャフトでしょう。
ここまでは比較的簡単にシャフトをスチールにするかカーボンにするかは選択できます。しかしユーティリティになるとどうでしょうか。
ユーティリティのシャフトはメーカーラインナップとして、カーボンとスチールの比率が半々くらいです。中古ショップに行ってみてもそうであるのを見ると、最近の傾向というわけでもなく、昔からのようです。半々ということは「一般的にはどっち」という指標がなく、それだけ選択が難しくなります。ではどのようにして選んだらよいか。
まず再優先に考えることは、アイアンとユーティリティの重さが逆転しないことです。どういうことかと言いますと、クラブ全体の重量フローとしてウェッジのような短いクラブが一番重く、ドライバーが一番軽くなるようにクラブの重量の流れをつくる必要があるため、アイアンよりもユーティリティが重くなることがあってはいけません。
つまりアイアンがカーボンシャフトの場合は、ユーティリティは迷わずカーボンシャフトにして下さい。
アイアンがスチールシャフトの場合は、NSプロなどの軽量系スチールとダイナミックゴールドなどの重量系スチールに分けてお話しすると、アイアンが軽量系のスチールシャフトの場合、ユーティリティはカーボンシャフトか同じ軽量系スチールシャフトにして下さい。
アイアンが重量系スチールシャフトの場合は、軽量系スチールシャフトか同じ重量系スチールシャフトにして下さい。カーボンシャフトでは軽すぎるため、流れるような重量フローとはならず、クラブ全体のバランスが崩れてしまうからです。基本的にはカーボンシャフトは外した方が無難だと思いますが、カーボンシャフトの中でも重めで硬めのものであれば、しっかり試打をしてみて良さそうだったら選択肢に挙げてもいいと思います。
次にアイアンが軽量系スチールシャフトの場合は、ユーティリティに何を求めるかで選ぶといいと思います。セカンドショットのお助けクラブとして飛距離をかせぐことを求めるならカーボンシャフト、ターゲットをシビアに狙っていきたいのであれば同じ軽量系スチールシャフトをお奨めします。
また、例えば18度、22度、26度のユーティリティを入れたい場合、22度と26度ではグリーンを狙って行きたいので軽量系スチールシャフト、18度はとにかく飛距離をかせぎたいのでカーボンシャフト、という両方を混在させる選び方もありです。
2.自分に合ったユーティリティの長さと重さと硬さの選び方
前項の要領で重さは決定します。重量フローに気をつけて、ユーティリティの重さを決めて下さい。それにともなってクラブの長さも決まります。番手によって長さが決まっているからです。では硬さについてはどうでしょうか。
ユーティリティはクラブセットの中でも一番後回しに揃えるクラブだと思います。ゴルフを始めたいから、まずユーティリティを買おうという人はいないと思います。
最初にアイアンとドライバーを揃え、5番ウッドあたりを足し、100を切るくらいまではこのセットでいくでしょう。そして90台が安定して出るようになって、更なるスコアアップを目指し、ロングホールの2オンや距離のあるショートホールでの1オンのためにフェアウェイウッドとロングアイアンの間が必要になってきたところで、ユーティリティの存在が気になってくる、といったパターンが多いのではないでしょうか。
そのため、ある程度周りのクラブが決まっているので、ユーティリティの硬さは難しく考えず、素直に周りのクラブに合わせて選べば良いです。ショップなどに試打をしに行って、その時たまたま筋肉の調子が良く硬めのクラブが振れていい結果だからといって、その硬めのクラブを選ぶと後でこんなはずじゃなかったのに、ということになりかねません。
そこまでそろえたクラブがご自分の丁度良い硬さなのですから、それに合わせてユーティリティの硬さを選んで下さい。
3.ユーティリティのヘッド形状によるシャフトの選び方
ユーティリティにはヘッドがフェアウィウッドを小さくしたような形状のウッド型と、アイアンを大きくしたような形状のアイアン型があります。
ウッド型は球が上がりやすく、初心者やヘッドスピードの低めの人に向いています。カーボンシャフトや軽量系スチールシャフトをお使いの方にも、ウッド系がお奨めです。
逆にアイアン型は弾道が低めになり、ターゲットをシビアに狙いやすい特徴があります。シャフトは軽量系でも重量系でもいいですが、スチールシャフトをお奨めします。
4.シャフトによる弾道の違い
シャフトにはキックポイントというスペックがあります。シャフトのどの部分が一番しなりやすいかという指標です。
シャフトのヘッド側がしなりやすいタイプを先調子、真ん中あたりがしなりやすいタイプを中調子、ゴルフグリップ側がしなりやすいタイプを元調子といいます。
先調子のシャフトは球が上がりやすくつかまりも良いため、ゴルフ初心者やヘッドスピードの遅めの方に向いています。また上級者がしなりをうまく使えば、ビックドライブを生むこともできます。
元調子のシャフトは球の高さが抑えられ、安定した弾道が得られます。ウッド型のユーティリティを使いたいけど球が上がりすぎるのは避けたい、という人は元調子のシャフトにするといいです。左右のばらつきが大きい人も、元調子のシャフトにするとばらつきが抑えられるはずです。
中調子のシャフトは先調子と元調子のように極端なクセがなく、バランスのとれたシャフトになります。迷ったら中調子にして下さい。追々そのクラブに悩みが出てきた時には、上記の特徴を考慮して調子の違うシャフトに変えてみるのも一つの方法です。
5.ユーティリティのシャフト交換の際の注意点
ユーティリティのシャフトを交換する場合、カーボンシャフトからカーボンシャフト、またはスチールシャフトからスチールシャフトなど、同じ種類のシャフトに交換する場合はそれほど神経質になることはありません。
ですがカーボンシャフトからスチールシャフト、又はその逆など違う種類のシャフトにする場合は注意が必要です。
カーボンシャフトとスチールシャフトでは、カーボンシャフトの方がしなりが効くため飛距離が出ます。
その違いがどのくらいになるかはロフト角やクラブ長によって変わるため、一概に言えませんが、1番手変わることもあります。同じロフト角とクラブ長のスペックだけで、安易にシャフトの種類の変更はしてはいけません。
シャフトの種類を変えたい場合は飛距離が変わることを念頭に、ロフト角も考慮して選ぶ必要があります。またシャフト長は前後のバランスもありますので、変更しない方がいいです。しっかりと試打をして、慎重に行ってください。
6.シャフトに合ったグリップ選び
よく聞く悩みの一つですが、重量系のスチールシャフトとして一般的なダイナミックゴールドで、スライスが出て困る時のグリップによる対処法です。
ダイナミックゴールドは太めのシャフトになるためそれだけでつかまりはよくなく、さらに元調子ですのでスライスやフェードが打ちやすいシャフトになります。
スライス系はバックスピン量が多く球が止まりやすいため、アイアンのシャフトとしては素晴らしいシャフトですが、合わない人にはコントロールできないスライスとなりOBなどのミスショットにつながってしまいます。
そこでグリップを細目のM62のタイプに変えてみて下さい。スライスが軽減され、コントロールされた弾道になるはずです。
カーボンシャフトで先調子の場合は逆にフック球系のミスが出やすいため、グリップを太めのM58のタイプに変えてみて下さい。
グリップはクラブと自分をつなぐ唯一の接点です。滑らなければいいという程度で考えてはいけません。グリップでクラブの動きが変わるので、決しておろそかにはできないパーツです。
7.まとめ
ドライバーやアイアンのシャフトは比較的簡単に決めることができますが、ユーティリティのシャフト選びは選択肢が多く、悩みます。ヘッドも重要ですが、シャフトの方が飛距離や弾道に大きく影響してきます。
シャフト選びは重要です。私も軽いシャフト、重いシャフト、キックポイントの異なるシャフトと、何度も変えてきました。もし軽いか重いかで迷ったら、重量フローがくるわない範囲で軽い方を選んで下さい。ゴルフは簡単にすることが何よりもスコアアップにつながるからです。