ユーティリティの飛距離の目安と考え方

目次

1.ユーティリティの番手間飛距離の比較
2.女性の飛距離の目安
3.フェアウェイウッドから乗り換える時のユーティリティの選び方
4.ユーティリティはフェアウェイウッドよりも安定する
5.ユーティリティの活躍シーン
6.飛距離アップのためのユーティリティの選び方
7.まとめ

1.ユーティリティの番手間飛距離の比較

ユーティリティはフェースのロフト角18~27度までが主にラインナップされています。これはフェアウェイウッドでいうと5~11番ウッド、アイアンでいうと2~5番アイアンのロフト角に相当しますが、フェアウェイウッドやアイアンが番手間のロフト角を3度刻みで設計しているのに対し、ユーティリティは2度刻みで設計していることがほとんどです。

スチールシャフトの場合、4度刻みでヘッドスピードの1/4、カーボンシャフトの場合、ヘッドスピードの1/3が番手間の飛距離差になりますので、2度刻みですとそれぞれその半分となります。例えばヘッドスピード45m/sの場合、スチールシャフトのユーティリティでおよそ6ヤードの差、カーボンシャフトのユーティリティでおよそ8ヤードの差になります。

この6ヤードや8ヤード刻みでシビアに飛距離を求める必要はないので、通常は番手を一つ飛ばした4度刻みでセッティングします。つまり番手の順番通り18度と20度といった具合に買い揃えるのではなく、18度と22度といった具合に買い揃えて下さい。その方が必要な飛距離差ができ、万遍なく距離を打ち分けることができるからです。

また最近のユーティリティはシャフトとクラブヘッドの接合部分にロフト角調整機能が付いているので、メーカーによって異なりますが、プラスマイナス1~1.5度程度のロフト角の調整ができるようになっています。

この機能を使えば18度と20度といった連続した番手でも、20度を21度に調整して、18度と21度にセッティングすることで3度のロフト角差ができ、10ヤード程度の飛距離差を作ることも可能です。ユーティリティを購入する時はロフト角を十分検討されて、欲しい飛距離を手に入れましょう。

2.女性の飛距離の目安

2.女性の飛距離の目安

ユーティリティはアイアンと同じで、上から打ち込む打ち方が合っているので、ある程度パワーが必要です。長さもあるため技量も必要となります。ヘッドスピードでいうと、最低35m/s以上は必要です。レディース用のユーティリティのメーカーラインナップは、22度からが一般的です。

飛距離の目安ですが、ドライバーが200ヤード飛ぶ方で22度ユーティリティは160ヤード、以降レディースの場合は3度刻みが多いため、番手間の飛距離差を10ヤード刻みとして計算して下さい。

ドライバーが150ヤードの方は22度ユーティリティは130ヤードとなり、以降8ヤード刻みで計算して下さい。尚、レディースのユーティリティはカーボンシャフトがほとんどですので、上記もカーボンシャフトでの計算になっています。

女性の場合セカンドショットで飛距離が残ることが多く、ボギーオンになってしまうことがほとんどだと思います。この時ユーティリティはかなり重宝します。

自分に合ったユーティリティでスコアアップを目指しましょう。

3.フェアウェイウッドから乗り換える時のユーティリティの選び方

3.フェアウェイウッドから乗り換える時のユーティリティの選び方

ゴルフが上達してきてスイングが良くなってくると、しっかりとクラブを振れるようになり、ボールを上から打ち込むことが出来るようになってきます。その時に必ず直面するのが、フェアウェイウッドが打ちづらくなることです。

フェアウェイウッドは多少は上から打ちますが、それでもヘッドの大きさやソールの広さから打ちづらく感じます。それを解決してくれるのがユーティリティです。ユーティリティはアイアンのように上からダウンブローに打つ打ち方が合っています。上級者になればなる程、この打ち方で安定した飛距離を得ることができます。

但しフェアウェイウッドからユーティリティに変えるときには注意が必要です。ロフト角だけで選んではいけません。7番ウッドが21度だからといって、21度ユーティリティを選ぶというのは間違いです。7番ウッドと同じ飛距離のユーティリティが欲しい場合は、次のことに注意して購入して下さい。

同じロフト角で同じカーボンシャトでシャフト長も同じであれば、フェアウェイウッドもユーティリティもほぼ同じ飛距離になるでしょう。

しかし販売されているものは同じロフト角のフェアウェイウッドとユーティリティの場合、シャフト長は2インチも違います。ユーティリティの方が短いです。およそ5センチも短いのです。シャフトもこれまでお話ししている通り、カーボンシャフトとスチールシャフトで飛距離が変わります。カーボンシャフトの方が飛びます。

以上のことからロフト角21度の7番ウッドが21度のユーティリティと同じ飛距離にはならないということが、お分かり頂けたと思います。では、ロフト角21度の7番ウッドをユーティリティに変えたい場合、どのように選んだらよいでしょうか。

ヘッドスピード45m/sの方が、21度の7番ウッドからユーティリティに変えたい場合で考えてみます。同じロフト角では2インチのシャフト長の差がありますが、1インチで飛距離は5ヤード変わるので、2インチだと10ヤード変わります。

スチールシャフトの場合ロフト角2度で6ヤード変わりますので、10ヤードはおよそ3度の差、つまり18度のユーティリティと同じになります。21度の7番ウッドからユーティリティに変えたい場合、18度のユーティリティに変えればいいわけです。

フェアウェイウッドからユーティリティに変えるときに番手を迷われたら、是非この方法を参考にしてみて下さい。但しヘッドの飛び性能によっても多少飛距離に影響がありますので、あくまで目安で考えて下さい。正確な調整はゴルフ練習場でネックの調整機能を駆使して行うといいと思います。

4.ユーティリティはフェアウェイウッドよりも安定する

4.ユーティリティはフェアウェイウッドよりも安定する

見てお分かりのようにフェアウェイウッドのヘッドはほぼ丸型の形状になっているのに対して、ユーティリティのヘッドは細長い形状をしています。細長い形状の場合フェースからヘッド後部までの長さと比較してフェースの横幅が広いため、インパクトショット時に芯を外した時の左右のミスに強くなります。

またフェアウェイウッドはフェースからヘッド後部までの距離があるため、球が上がりやすい構造になっています。球が上がりやすいということはスピン量が多くなりますが、その分ばらつきも多くなります。反面ユーティリティはアイアンに近いクラブで、弾道もフェアウェイウッドより低く、ターゲットをデッドに狙い易いクラブです。
アイアンが得意で200ヤードからでもピンを狙っていきたいというようなアスリート思考のゴルファーは、是非ユーティリティをクラブセッティングに入れてみてはいかがでしょうか。

5.ユーティリティの活躍シーン

ユーティリティのいい所は番手の飛距離を出すだけでなく、様々なシーンでお助けクラブになってくれます。

ティーショットをミスしてボールがラフに入り、しかもセカンドショットの飛距離が残った場面、ユーティリティならヘッドが小さいためラフでもヘッドが入り、飛距離もかせいでくれます。

これがフェアウェイウッドであればヘッドがラフの中のボールに届かず、チョロかトップになるでしょう。アイアンではラフから出すだけなら十分ですが、飛距離がでません。ユーティリティが一番有効なのです。

また花道やカラーにあるボールからカップを狙いたい時、普通ならショートアイアンやウェッジを使ってアプローチショットをするでしょう。しかしダフってチョロや、トップして大オーバーになってしまうことはよくあることです。

ここでユーティリティを使ってみて下さい。距離感さえ合えばダフることもトップすることもありません。カップに寄る確率は格段に上がります。是非試してみて下さい。

6.飛距離アップのためのユーティリティの選び方

6.飛距離アップのためのユーティリティの選び方

さて、今お使いのユーティリティは思った飛距離が出ているでしょうか。出ていないという方は自分に合っていないかもしれませんので、見直してみましょう。

スライスのミスが出てしまうという方は、フェース面がシャフトのラインよりも引っ込んでいるグースのあるタイプを選んでください。グースによってボールのつかまりが良くなり、スライスが軽減されます。逆にフックやひっかけのミスが出てしまう方は、グースのない、シャフトとフェース面がほぼ同じライン上にあるタイプを選んで下さい。

そしてライ角によっても、スライスやフックのミスを軽減することができます。ライ角とは、構えた時にシャフトと地面の作る角度のことです。ライ角が大きいというのはシャフトが起きていることになり、つかまりが良くなります。

つまりスライスのミスが出やすい方は、ライ角が大き目のクラブを選ぶといいです。逆にフックのミスが出る方は、ライ角が小さ目のクラブを選んで下さい。ライ角が大きいか小さいか分からない場合は、クラブを自然に構えてみてヘッドの先がコイン1枚か2枚程度入るくらいの隙間が出来ていれば、ちょうど良いクラブです。

また今のユーティリティを構えた時になんとなく不安になるなど、苦手意識がないでしょうか。右に行きそうな気がする、左に行きそうな気がする、当たりそうにない、構えづらいなどと感じてしまうと、脳にマイナス思考の情報が行き、体を硬直させたり力ませたりして思うようなスイングが出来なくなってしまいます。

クラブは振り切るということが大事なので、そのようになってしまうといろんなミスが誘発されます。

構えやすいということはとても重要です。ショップに行ったらまず構えてみて、ヘッドの座りが良いか、真っ直ぐ打てそうかどうかということを感じて、構えやすいクラブを選んでみて下さい。その時は第一印象も大切にするとなおいいです。

7.まとめ

ユーティリティは飛ばすクラブではなく、しっかりターゲットに運ぶクラブです。求める飛距離の出るクラブを揃えるか、持っているクラブの飛距離を把握して使えるようになれば短いロングホールの2オン、長いショートでのワンオン、短いミドルのフェアウェイキープに活きてきます。ユーティリティが使いこなせれば、ベスト更新は間違いありません。