ゴルフのスライスの克服

目次

1.スライスの原因
1-1.ドライバーのスライスの原因
1-2.アイアンのスライスの原因

2.スライスの克服方法
2-1.練習でのスライスの直し方
2-2.ラウンドで注意すること

3.スライスの矯正方法
3-1.インテンショナルフックの打ち方による矯正方法
3-2.シャフトによる矯正方法

4.まとめ

1.スライスの原因

1.スライスの原因

1-1.ドライバーのスライスの原因

ゴルフクラブの中でもドライバーは一番長いということもあり、スライスが起きやすいクラブです。ウェッジなどロフト角というフェースの角度が大きければ大きいクラブほど縦のスピン量が大きくなり、フェースが開いて横のスピンが入ったとしても縦のスピンに消されるため、曲がりは少なくなります。

ドライバーはロフト角が一番小さいクラブなので、縦のスピンよりも横のスピンの方が多くなりやすく、少しフェースが開いただけでスライスになってしまいます。

このようなクラブの構造の違いから、フェースが同じ角度だけ開いたとしてもロフト角によって曲がりの度合いに違いが生じます。

長いクラブになるほど難しいのは、ゴルフボールと自分との距離が遠くなり芯に当てるのが難しくなるということもありますが、このようにフェース面をシビアにコントロールする必要があるためでもあります。

このような理由から、各メーカーはしのぎを削ってドライバーのフェースが開かないような工夫をしています。ヘッドが左右にぶれないようにするための指標として慣性モーメントの大きさがありますが、ヘッドが大きいほどこの慣性モーメントが大きくなり、フェースが左右にぶれにくくなります。これによって曲がりにくいドライバーとなるわけです。

ドライバーは年々進化し、ヘッドは規定上限の460ccまで大きくなりました。20年程前のドライバーは今の3番ウッドくらいの大きさしかありませんでしたし、10数年ほど前でも400ccありませんでした。

スイートスポットに当てるのが難しくばらつきがある方は、慣性モーメントの大きいフェースが横長のシャローフェースのタイプを使うと、当たり負けしてフェースが開くということがなくなるためドライバーのスライスミスは減ります。

逆にスイートスポットに正確に当たっている方は、フェースが縦に大きいディープフェースのヘッドのクラブを使うと縦スピン量が安定するため、弾道をコントロールすることができます。

1-2.アイアンのスライスの原因

一口にアイアンと言ってもショートアイアンとロングアイアンではクラブ特性が大きく異なり、やはりロングアイアンの方が圧倒的に難しくスライスが出やすいクラブになります。

特に6番アイアンから急に難しくなります。6番アイアンからはボールの位置を左足寄りに変えて、ダウンブローに打ち込むスイングから少し払う意識を入れた方が打ちやすく、その払う打ち方が難しいためです。そしてその払う打ち方こそがフェースの開きやすい原因ともなっています。

またクラブが長くなればなるほどクラブのクラブシャフトと地面のつくる角度が小さくなるため、横振り傾向になり振り遅れやすくなり、結果フェースが開きやすくなってしまいます。

アイアンはドライバーと違い地面に置いて打つため、スライスの原因としてフェースが開くという意味ではドライバーと同じですが、現象が少し違います。

ドライバーは長さがあり小さいロフト角のため少しでも振り遅れて開けばスライスになってしまいます。

ですがアイアンは長さが短めでロフト角も大きいためダウンブローに打ちやすく振り遅れでフェースが開くことは少ないです。

それよりもアイアンの場合は、別の現象でフェースが開いてしまいます。

アイアンは地面の上に直接置かれたボールを打つため、アイアンのソールと地面が接することになります。その地面に接する時、つまりインパクトの時に手元が浮いてしまうと、ヘッドのトゥ側が地面にひっかかりフェースが開いてしまってスライスするということがあります。ドライバーの場合はティーアップしているため、この影響はありません。

このようにクラブの打ち方の違いによって、スライスの起こる根本的な原因が異なるわけです。

もちろんゴルフグリップスイング軌道が原因でインパクトショットの時にフェースが開くということはあり、これは全てのクラブで同じ様にスライスしてしまいますが、先程説明した通りクラブの構造や打ち方によって違う原因がもとで起こるスライスもあるため、そのあたりもよく理解してスライスの克服に役立ててみて下さい。

2.スライスの克服方法

2.スライスの克服方法

2-1.練習でのスライスの直し方

まずグリップです。グリップはフックグリップにします。左手はいつもより時計回りに回転させて握り、右手はクラブを下から添えるように握ります。

この時、両手を開くと手の平が平行になるようにして下さい。調整する場合は左手に合わせるようにし、右手を調整して下さい。実際に打ってみてスライスがなくなるまでフックグリップの度合いを大きくしてみます。必ずどこかでスライスからフック弾道に変わるはずです。

さらにグリップの調整を行い、最終的にボールがまっすぐ飛ぶ確率の一番高いグリップが、あなたの正しいグリップです。

次にスイングです。テイクバックでクラブヘッドが腰の位置に来た時に、ヘッドのフェース面が自分の前傾姿勢の角度と同じになるようにして下さい。ここでフェースが地面と垂直になっていると、スライスしてしまいます。フェースをボールに向けたままテイクバックするように意識すると、ちょうど前傾姿勢の角度と同じになります。

これらに気を付けるだけでスライスを克服できる可能性は十分にありますので、是非練習場で時間をかけて試してみてください。

2-2.ラウンドで注意すること

ゴルフラウンドに行くと今まで練習したことやチェックポイントにしていたことを忘れてしまうことが多々あります。忘れてしまわないようにするために、また練習してきたことを発揮できるようにするためにはどうしたらよいでしょうか。

それはルーティンに組み込んでしまうのが一番確実です。

ルーティンはボールを打つ前に行う、自分で決めた一連の動作です。これを行うことによって集中力を高め、いつも同じようなスイングを行うことができます。

このルーティンの中にスライスを防ぐ自分で決めたチェックポイントを組み込みます。フックグリップに握るために、今までは何気なく握っていたところを、素振りをしたらスライスの出ないグリップを作ってゴルフアドレスに入るとか、アドレスして打つ直前に必ずテイクバックの腰の位置でフェースの角度を確認するといったことを、ルーティーンとして必ず行うようにします。そうすればラウンドで緊張した場面でも、忘れることなく実践できます。

このチェックポイントをルーティンに組み込むことは、練習の中でも必ず行うようにして下さい。練習でできていないことは、ラウンドでもできないからです。

3.スライスの矯正方法

3.スライスの矯正方法

3-1.インテンショナルフックの打ち方による矯正方法

スイングを変えて故意に曲がるように打つことをインテンショナルといいます。今からお話しするスライスの矯正方法は、フックボールを打つスイングを行うことでスライスのミスを防ぐ方法です。

ではインテンショナルフックを打つ手順です。

いつも通りアドレスしたら、右足を握りこぶし1個~1個半程度後ろに引きます。次にテイクバックを開始しますが、この時いつもより早めに手首を親指側に折るコッキング動作を行うように意識します。決して手の甲側に折らないように気をつけてください。よけいにスライスしてしまいます。

そして捻転をいつもより深く入れます。捻転が深くなるということはテイクバックにかかる時間が変わるため、いつものタイミングとずれが生じます。必ず3回以上は素振りを行って下さい。ダウンスイング以降はいつもと同じです。

これがインテンショナルフックの打ち方です。スライスが矯正されるか、フック気味のボールになるはずです。

3-2.シャフトによる矯正方法

シャフトには大きく分けて先調・中調子・元調子のものがありますが、この中でスライスしにくくつかまりのよいシャフトは先調子のものです。シャフトの先の方にしなりのポイントがあるため、インパクト時にヘッドがかえりやすくなります。特に元調子のシャフトをお使いの場合、先調子に変えるとはっきりと弾道が変わるので、是非試してみて頂きたいです。

あとシャフトの硬さは柔らかめ重さは軽めにし、とにかく易しくなる方向で選んで下さい。
振りぬきが良くなるためクラブの振り遅れを防ぎ、体の正面でボールをとらえやすくなります。

グリップやスイングでどうしても変化が現れない場合は、クラブを変えるかシャフト交換をお奨めします。

4.まとめ

4.まとめ

スライスはアマチュアゴルファーの中でも一番多い悩みではないかと思います。大きなスライスはOBにもなり、時にはラウンド中スライスが止まらなくなることさえある厄介な症状です。

ですが逆に曲りの少ないスライスはフェードと呼びますが、このフェードはスピン量が多いためランの少ない球となり、一番安定したショットを生みます。

フェードを持ち球にするプロも多く、わざわざドローからフェードに変えるプロもいるくらいです。

大きな曲りのスライスは良くないですが、曲りを少なくすることができればこれほどいい武器はありません。

スライスとうまく付き合えばゴルフは格段に上達しますので、「克服」と悩むばかりでなく曲りを抑えることを目標に考えると気持ちも楽になりますし、楽しいゴルフライフになるのではないでしょうか。