あなたのゴルフにフルスイングは必要か!?
概要(はじめに)

ゴルフのショットにおいて、フルスイングほどデメリットが多いスイングはありません。フルスイングをすればするほど「○○率」が下がるからです。もし、あなたがスコアを無視して飛距離だけにゴルフの楽しさを求めるならそれでも構わないのですが…(笑)

ゴルフの上手下手の基準はやっぱりスコア、いかに少ない打数でホールアウトするかを競うスポーツです。

今日はゴルフのフルスイングについて考えていきましょう!

 

1.そもそもゴルフにフルスイングは必要か!?

1.そもそもゴルフにフルスイングは必要か!?

1-1.ゴルフのフルスイングを考察する

「ゴルフのフルスイング」で、一番多く見かける場所は?と聞かれると、やはり「打ちっ放し場」ということになるのではないでしょうか。

しかも、いつでも目一杯クラブを振り回しているのはゴルフアドレスやスイングプレーンから見ても明らかにビギナー~初心者が圧倒的に多いように思います。これはなぜだと思われますか?

そうです、答えは簡単!

ゴルフは目一杯のフルスイングでしか飛距離を伸ばせない、飛ばせないと初心者は勘違いしているからです。

あなたは「そりゃそうでしょ!」でしたか?
それとも「え、そうやったの?」どちらだったでしょうか?

経験を積めばわかってくることですがゴルフのスイングってフルスイングすればするほど当たりませんよね?だけど、素振りの感覚でかるーく振ってやるとポンポン当たり始める…

クラブヘッドの重みと遠心力の力だけでスイングしてもゴルフボールはしっかり飛ぶんです。まぁ、一言で言ってしまえばゴルフに「フルスイングは必要ない!」ということですね。

1-2.プロでもフルスイングしない理由

プロゴルファーは特別な場面を除いて100%のフルスイングをしているわけではありません。それはなぜでしょうか?

日々トレーニングや試合などでボールを打ち続け再現性の高いスイングを維持しているプロゴルファーでさえ目一杯のフルスイングをすると「曲がる!」からです。曲がるということは距離も出ませんし、次のショットが良い状況で打てなくなる訳ですから、一打一打に生活がかかっているプロはそんなリスクは背負いたくないのです。

プロですらそうなのですから、アマチュアゴルファーが力任せにクラブを振ったところであまり得をすることはないということです。

もちろん、アマチュアですから、いくらスコアが良くてもお金に替えられる訳ではないですが、それでも良いスコアでコースラウンド出来た時の喜びやコンペで優勝して家族を喜ばせてあげられる商品をゲットできる可能性が高くなるってなるならどうでしょう?やっぱりフルスイングは控えた方が良さそうですよね。

まぁこれは極端な例えですが、この章では「フルスイングはゴルフに必要ない」ということがわかってもらえればそれでOKです。

2.なぜフルスイングはダメなのか?

2-1.再現性を維持できないフルスイング

ゴルフで安定したショットを放つためには「スイングの再現性の高さ」が求められます。

「再現性の高いスイング」とは刻々と変わる状況の中でいかに同じスイングができるかということなので、フルスイングはその再現性を維持しにくい最たるものという訳です。

あなたがもし、ラウンド中にフルスイングしようとした時には次のような事件が起こります。

・早くクラブを振ろうとして「力む!」
・早くクラブを振ろうとして「スイングリズムやテンポが変わる!」
・早くクラブを振ろうとして「体がついてこず手打ちになる!」

いかがでしょう?
「力んで」「リズムやテンポが狂い」「手打ち」になる…この3つのうち一つでもやっちゃえば即ミスショットになることはあなたもすでに経験済みですよね(笑)早い話がフルスイングはボールをちゃんとクラブフェースの芯でとらえることが難しくなるということなんです。

2-2.体に負担が掛かるフルスイング

フルスイングとはどんな状況でもティーショットやセカンドショットで目一杯のスイングをするのですから、腰や肘、背中や首など特に上半身にかなりの負担が掛かっています。それを続けていると慢性的な腰痛や肘痛に悩まされる…なんてことも無いとは限りません。

やはり長く楽しくゴルフを続けていくには、まずは体に優しい、無理のないスイングが必要となってきますので、健康面を考えてもフルスイングはあまりよろしくないスイングだと言えるでしょうね。

3.それでも早く振らなければ飛距離アップは望めない!?

3.それでも早く振らなければ飛距離アップは望めない!?

3-1.飛距離を出すために必要な一番の要素は「ヘッドスピード」

「フルスイングは良くない!」と言っておきながらなぜこの見出しなの?と、素朴な疑問をお持ちかもしれませんが、やはり飛ばそうと思えば、ヘッドスピードを上げなくてはいけないからです。少し逆説的なことをお話するようですが、大事なトコロなのでお聞きください。

飛ばしの三大要素と言われるのが

・「ボール初速
・「打ち出し角
・「スピン量

このうち最も大きなウエイトを占めるのが「ボール初速」でこれは「ヘッドスピード」と直結しています。残りの二つ「打ち出し角」と「スピン量」は昨今のゴルフクラブで自分のスペックに合っているものをチョイスすればほぼ補うことができます。

しかし、「ボール初速(ヘッドスピード)」だけはあなた自身が何とかするしかないのです。「じゃあ、やっぱりフルスイングするしか飛距離は伸ばせないやん!」と思われたあなた…

「安心して下さい!」(ん?どこかで聞いたことのあるフレーズ…笑)

フルスイングしてヘッドスピードを無理して上げなくてもヘッドスピードはそのままでも飛距離を維持、もしくは伸ばす方法があるんです。

3-2.その答えは女子プロのスイングにあった!?

女子プロのトーナメントをテレビ観戦していると思う疑問が「なんであんな小柄でフルスイングしていないのに250yも飛ぶんやろ?」ではないでしょうか?

昨年の日本ツアーで2億円以上を稼いだ韓国出身の賞金女王、イ・ボミ選手などはその典型です。常に一定のリズムでゆったりとした大きなスイングから放たれたショットはかるーくドローしてフェアウェイのど真ん中へ。ボミちゃんの平均飛距離は250y前後…

「なんでだろ~♪なんでだろ~♪」(ここはあの二人で…(笑))

そこには「飛ばしの3大要素」の他にもう一つ、しかもかなり重要な要因が隠されていたんです。

4.女子プロ(男子も含む)の飛ばしの秘訣は「ミート率」の高さ

4-1.女子プロが飛ぶのはミート率が高い!?

冒頭の「○○率」はミート率だったのですが、ミート率の高さ=飛距離にそのまま直結します。

女子プロのヘッドスピードは40m/~45m/sくらいといわれていますが、これはアマチュアの一般男性のヘッドスピードと同じくらいのスピードです。男子のアマチュアで250y飛べば「飛ばし屋」と言われる部類に入ると思いますがそれくらいのヘッドスピードがあってもなかなか250yは飛びません。

そこにはヘッドスピード+「ミート率の高さ」が関係しているということなんです。

女子プロは一般男性アマチュアとほぼ変わらないヘッドスピードでありながら「ミート率」が高いゆえ、効率よくボールを飛ばしているんですね。「ミート率」が高ければ高いほど飛距離を得られるという訳です。

そもそも「ミート率」とは、ドライバーヘッドがボールに当たったショットインパクトの瞬間、ヘッドからボールにきちんとエネルギーを伝えられているかどうかを知るための指標で、理論上ではヘッドスピードの1.5倍までのボール初速を出せると言われています。

つまり、どれだけ正確にクラブフェースの真芯でボールを捉えられたかを知る目安となる数値で、プロゴルファーなら1.45以上はあるようです。一方、アマチュアは1.2~1.3後半くらいといわれており、いくらヘッドスピードが早くても「ミート率」の違いで飛距離に差が生じていることがわかります。

4-2.飛ばすならフルスイングよりも「ミート率」を上げる方が近道!?

女子プロをお手本にすると、ヘッドスピードそこそこ(40m/sくらい)あって効率良くボールにそのエネルギーを伝達することができればフルスイングはぜんぜん必要ないということになります。

フルスイングでヘッドスピードを上げるよりもゆっくりでも「ミート率」を高める練習をした方がかえって飛距離アップにつながる可能性は高いかもしれません。

今までよりゴルフクラブのグリップを少し短く持つとか、練習場ではハーフショットで芯でボールを捕らえる感覚を養うなど「ヘッドスピードを上げて飛ばす!」ではなく「ミート率を高めて飛ばす!」方がミスショットの確率も下がりさらには体への負担も軽くなってまさに良い事だらけのような気がします。

最近では簡易なヘッドスピードの計測器でもミート率まで表示されるすぐれものが販売されているようなので、常に計測しながら練習しても効果があるのではないでしょうか?

5.ナイスショットが生まれる力加減はフルスイングの約95%!?

5.ナイスショットが生まれる力加減はフルスイングの約95%!?

5-1.人は常に100%だと疲れるんです

どんな時でもそうですが、仕事も趣味も常に全力で100%のパワーを出し続けるのは精神的にも肉体的にも疲れます。ゴルフのスイングも同じで常に100%の力でスイングすると色んなミスを誘発していきます。ちょうどいいのは個人差があるとは思いますがやはり90~95%くらいが程よい力加減だと思います。

例えばあなたがもう力いっぱいにフルスイングをしたときのヘッドスピードが45m/sだったとすると、90~95%の力加減は40~43m/sくらいの数値になります。これくらいで十分ではないでしょうか?

実際に練習場でやってみればわかるのですがドライバーでハーフスイング、もしくはスリークォーターくらいの振り幅でしっかりフェースの芯で捕らえることができれば簡単に200yくらいは飛びます。8番アイアンならハーフショットで100yくらいはキャリーで飛ぶんです。

何が何でもフルスイング、はゴルフには必要なくちょっと肩の力を抜いて深呼吸~95%のスイングを心がけてください。

5-2.フルスイングとグリップの関係とは?

フルスイングをする時のあなたのグリップ、その力加減はどうでしょう?

もう、力いっぱい握りしめていませんか?

早くスイングしなければと思うあまり、ついついグリップ圧が強くなっている方が非常に多いです。とくにドライバーは強く握れば握るほど遠心力を利用することができなくなりつまり、ヘッドが走らなくなって、飛距離も伸びません。

ヘッドを走らせる(ヘッドスピード上げる)には軽く握るというのが鉄則です。軽く握ることで手首も柔らかくなりクラブヘッドが収まるところに収まって、美しい軌道のスイングにつながるのです。

グリップ圧の目安位はクラブを体の正面でちょうど剣道の竹刀を構えるようにして斜め45度くらいの高さで握った時支えられる強さのグリップが適正な握り加減です。しかし、グリップ圧が適正でもフルスイングをした途端に美しいスイング軌道(オンプレーン)は壊れてしまいますのでスイングのスピードはフルスイングに対して常に95%を意識してしてみて下さい!

6.まとめ

いかがでしたか、ゴルフにおいてフルスイングはほぼ必要ないということがお分かりいただけたかと思います。

フルスイングで結果を出せるのはプロに限られるということ…それよりは再現性の高いスイングで「ミート率」を上げミスショットを軽減させた方が、スコアには確実に反映されるのです。

是非あなたも試してみてください!