ラウンド中や練習場で周囲を見ていると、明らかに自分のアイアンの飛距離が周囲に比べて飛んでいないと思う事がありませんか?
メーカーによって同じ7番アイアンでも、ロフトが違うので飛距離が変わって当然だと言う方もいますが、そういったものを加味しても飛んでいないと感じることはよくあります。
そのような時は、自分のアイアンのスイングは周囲に比べて何が悪いのでしょうか?その悪い所を理解しないままでは、いつまでたってもアイアンの飛距離は伸びない物なのです。
そこで、今回はアイアンの飛距離をアップさせるための課題や練習方法について、ご紹介したいと思います。
目次
1.あなたのアイアンは飛んでいない?
1-1. 7番アイアンでの平均飛距離
1-2. 飛距離不足かどうかを分析する
1-3. そもそも飛距離が足りない場合と打ち方が悪い場合
2.アイアンの飛距離不足の原因
2-1.アッパーブローになっている
2-2.ヘッドスピード不足
2-3.ミート率が悪い
2-4.ハンドファーストになっていない
3.アイアンの飛距離アップにはダウンブローが必要
3-1.ダウンブローとは
3-2.ダウンブローはミスにも寛容
4.アイアンの飛距離をアップさせるための練習方法
4-1.ハーフスイング
4-2.ティーアップをしての練習
4-3.ダウンブローを打つための練習
1.あなたのアイアンは飛んでいない?
ご自身のアイアンの飛距離に満足しているという人は少なくなく、多くの人が飛距離アップを求めて日夜情報収集をしたり、実際に練習場で練習していると思います。
ですが、そもそもアイアンの平均飛距離というのはどのよなものなのでしょうか?果たして、本当に自分は飛んでいないのでしょうか?
1-1. 7番アイアンでの平均飛距離
一般的に男性のアイアンの平均飛距離は7番で150ヤードだという人が多くいますが、実はそれは正しくありません。
7番アイアン(ノーマルロフト)の平均飛距離
男性
非力な人 120ヤード
平均的な人 140ヤード
飛ばし屋 150ヤード
女性
非力な人 65ヤード
平均的な人 90ヤード
飛ばし屋 120ヤード
このように、一般的な男性であれば7番アイアンの平均飛距離は140ヤードであり、150ヤードを飛ばすというのは、力のある人が飛ばすことが出来る領域となっております。
それでも、周囲を見ると7番アイアンで150ヤードを飛ばしている人は少なくありませんが、それは何故なのでしょうか?
1-2. 飛距離不足かどうかを分析する
そのように、通常の飛ばし屋でない人が7番アイアンで150ヤードを飛ばすことのできる理由としては、ストロングロフトのアイアンを使用している場合が多いです。
ストロングロフトのアイアンであると、ノーマルロフトのアイアンに比べて、非常にロフトが立っております。多くの場合、ストロングロフトの7番はノーマルロフトの5番と同じくらいのロフトになっております。
そのため、簡単に計算してもノーマルロフトの7番アイアンに比べて20ヤードは飛距離がアップすることになります。ですから、7番アイアンでも150ヤード飛ばすことが可能になっているのです。
でも、これを加味してみるとその人は、通常ロフトでは130ヤードとなってしまうので、飛距離は平均以下となってしまいますね。このように、ご自身のアイアンのロフトを確認して、ノーマルロフトで140ヤードくらいであれば十分平均的ですのでご安心してください。
ですが、自分のアイアンがストロングロフトであったり、ノーマルロフトでも120~130ヤードであれば、アイアンの飛距離が足りていないという事になるでしょう。
1-3. そもそも飛距離が足りない場合と打ち方が悪い場合
それでは、実際にご自身のアイアンの飛距離が足りていないという事を感じた場合、次に考えなければいけないのは、自分はベストを尽くして、その飛距離なのか?それとも、打ち方が良くないので飛距離が出ないのかを考えなければいけません。
それをチェックする方法としては、9番アイアンとドライバーが必要です。
ノーマルロフトの9番アイアンはドライバーの飛距離の2分の1の飛距離になるといわれております。ですので、もしあなたのドライバーの飛距離が200ヤードで、9番アイアンが100ヤードの場合は、あなたのアイアンは綺麗にスイングできていると考えられるでしょう。飛距離をアップさせるにはパワーやヘッドスピードが必要となってきます。
ですが、ドライバー240ヤード飛ぶのに、9番アイアンが120ヤードに満たない場合は、あなたのアイアンのスイングに問題があり、スイングを改善することが出来れば、アイアンの飛距離は確実にアップするという事になります。
2.アイアンの飛距離不足の原因
ここでは、スイングが原因によるアイアンの飛距離不足のポイントについて、ご紹介していきたいと思います。
2-1.アッパーブローになっている
ドライバーのスイングでは多少アッパーブローの方がよいのですが、それはドライバーにほとんどロフトがないからなのです。
アイアンは、番手毎にロフトが決まっているので、アッパーブローでインパクトショットをしなくとも、自動的にゴルフボールを上げることが出来ます。ですが、多くのアマチュアはボールを上げようとする意識が強く出過ぎてしまい、アッパーブローで打ちに行ってしまうのです。
2-2.ヘッドスピード不足
通常、インパクトからフォローに向かってヘッドスピードが最大になることで、最も効率よくボールを遠くに飛ばすことが出来ます。
ですが、手打ちなどのスイングになっていると、ダウンスイングの最初の方でヘッドスピードが最大になってしまうため、ボールにインパクトをするときには、ヘッドスピードが減速した状態でインパクトを迎えてしまいます。そうなると、飛距離は格段に減少するので、アイアンが飛ばなくなってしまいます。
2-3.ミート率が悪い
インパクトの際のミート率が悪いと、クラブの力が効率よくボールに伝わらないので、飛距離を落とす結果になってしまいます。
2-4.ハンドファーストになっていない
アイアンというのはハンドファーストにインパクトを迎える必要があります。
ですが、ハンドレイトになってしまうと手の位置よりもクラブヘッドが先に行ってしまうため、結果的にインパクトの際にロフトが寝た状態でインパクトをしてしまいます。そうしてしまうと、通常のロフトよりも高いボールが出てしまい、飛距離が出なくなってしまうのです。
3.アイアンの飛距離アップにはダウンブローが必要
それでは、それらを解決するためにはどのようなことをすればよいのでしょうか?その解決方法とはダウンブローでのスイングを身につけることが必要となってくるのです。
3-1.ダウンブローとは
ダウンブローとは、アッパーブローの対義語であり、クラブヘッドがボールに当たる際には、下に向かって打っている状態のことを言います。
そのため、スイングの最下点はインパクトの後という事になります。
よくプロのトーナメントにおいて、ミスショットでもないのにターフがごっそりとれるのも、これが理由となっております。インパクト後にターフを取るので、ボールには何の影響もないのです。
また、ダウンブローを習得することで、先ほど例に挙げた原因のほとんどが解決することが出来ます。最近では、アイアンの性能が上がっているので、ダウンブローを覚える必要がないという人も少なからず存在しておりますが、アイアンの性能が上がった今でこそ、ダウンブローを習得することでボールの安定性はさらに増すと考えております。
3-2.ダウンブローはミスにも寛容
さらにダウンブローというのは少々のミスにも寛容になっております。
ダウンブローでボールをインパクトする際は、ゴルフクラブのフェースのエッジというのはボールの赤道上より上からインパクトを迎えます。そのため、少しトップ気味にインパクトを迎えたとしても、ボールを地面に押し付け転がすようなインパクトになるので、そのままトップボールにならずにボールが上がっていきます。
通常のインパクトに比べて低めの球筋にはなってしまいますが、スピンはしっかりかかっているので、どこまでも転がっていくという事はないでしょう。また、ダウンブローは上から下へのスイングなので、ボールにインパクトする前にダフってしまうという事はありませんので、非常にミスに強いスイングであると言えるでしょう。
4.アイアンの飛距離をアップさせるための練習方法
それでは実際にアイアンの飛距離アップのための、ダウンブローの習得に役立つ練習方法についてご紹介したいと思います。
4-1.ハーフスイング
ダウンブローの基礎を学ぶ上でハーフスイングというものは、非常に重要となってきます。ビジネスゾーンと言われるハーフスイングは、スイングのすべてが詰まっております。ですので、ハーフスイングでダウンブローに打てない場合は、フルスイングでも絶対に打つことが出来ません。
ハーフスイングの練習をするときは、7番アイアンを使ってスタンスはフルスイングのスタンスをとりましょう。アプローチショットのスタンスは取ってはいけません。そして、テークバックからダウンスイングにかけて、手で打ちに行くのではなく、左への体重移動を意識して打つようにしましょう。
上手く打てた時は、60ヤードくらいの飛距離で少しドロー系のボールが出ると思います。10球中9球が綺麗にインパクトできるよう練習しましょう。
4-2.ティーアップをしての練習
ゴルフ練習場のドライバー用のゴムティで、ボールを直接捉えるための練習をしましょう。綺麗にダウンブローで捉えないと、ゴムティーに当たって、思うように飛びませんので、自分がダウンブローで打つことが出来ているかの判断が容易になります。
4-3.その他のダウンブローを打つための練習
その他のダウンブローの練習方法として、ダウンブローで打てない人は、右足に体重を置きすぎている傾向があります。
そのため、練習場でボールを打つ時は、ボールを左端において、さらに左足を練習場のマットの外側にすることで、左足が少し低い状態が出来ます。その状態なら、勝手に左足に少し重心が移動するので、この状態でスイングすると感覚をつかみやすいと思います。
5.まとめ
今回は、アイアンの飛距離が飛ばない原因や飛距離アップの練習方法についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ダウンブローでボールを捉えることが出来るようになると、飛距離がアップするだけでなく、スピン量も上がりますので、ボールをグリーン上でピタッと止めたり、バックスピンをかけることが出来るようになるかもしれません。ですので、将来的にさらに上達したいと考える場合は、ダウンブローのスイングを覚えることは重要だと言えるでしょう。