フェアウェイウッドの飛距離の目安と考え方

目次

1.フェアウェイウッドの番手間飛距離の比較
2.計算によるフェアウェイウッドの飛距離の目安
3.女性の飛距離の目安
4.ヘッドの形状による飛距離の違い
5.ティーアップする時と直で打つ時で飛距離は変わる
5-1.ボールの位置と打ち方の違い
5-2.目標への狙い方の違い
6.セカンドショットでフェアウェイウッドが使えるシチュエーションと飛距離
6-1.フェアウェイとラフによる違い
6-2.ライによる違い
6-3.ロングで2オンの落とし穴
7.飛距離を落とさないように気をつけたいこと
8.まとめ

1.フェアウェイウッドの番手間飛距離の比較

1.フェアウェイウッドの番手間飛距離の比較

フェアウェイウッドは主に3番、5番ウッドが使われており、アイアンユーティリティが苦手な方は7番ウッド、シニアや女性の方で9番ウッドまで使用されている方も最近では増えてきました。5番アイアンの飛距離に相当する11番ウッドをラインナップしているメーカもあるようです。

このようにフェアウェイウッドの番手は多数ありますが、番手の飛距離を比較すると番手間の差はどのくらいになるでしょうか。ドライバーのヘッドスピードが45m/sの場合、アイアンの番手間飛距離差はおよそ10ヤード刻みになります。これをヘッドスピードのおよそ1/4と考えます。

またロフト角の差は、ミドルアイアンからロングアイアンが3度刻み、クラブシャフト長は、0.5インチ刻みに設計されています。フェアウェイウッドもこの2つのスペックの番手間の設計は同じなので、ミドルアイアンやロングアイアンと同様、同じ10ヤード刻みになると思われがちですが、実はもっと飛距離差がでます。その番手間の差はドライバーのヘッドスピードの1/3、つまり15ヤードです。

アイアンとフェアウェイウッドで番手間のフェースのロフト角差とクラブ長の差が同じなのに、飛距離の差が大きく異なるのはなぜでしょうか。

それは「シャフトの種類」と「少ないロフト角」に起因します。「シャフトの種類」というのはアイアンをスチールシャフトに、フェアウェイウッドをカーボンシャフトにセッティングしている場合、カーボンシャフトはスチールシャフトよりもよくしなり、さらに番手の関係で長さもあるため、そのしなりもさらに大きくなるからです。つまりシャフトのしなり度合いによって、さらに飛距離の差が生まれるという訳です。

また「少ないロフト角」というのは、ロフト角が少ない程ランが出るため、このランによってトータルの飛距離に差がでます。この二つの要因によってフェアウェイウッドの番手間の飛距離の差が15ヤードになるのです。

フェアウェイウッドのクラブセッティングを考える時の参考になればと思います。

2.計算によるフェアウェイウッドの飛距離の目安

飛距離の目安は、ある程度簡単に計算することができます。練習場が200ヤードくらいしかなかったり、視力が弱くどこまで飛んでいるか分からないなど、フェアウェイウッドの飛距離が把握できていない方は次の方法で算出して飛距離の目安にしてみて下さい。

計算の方法は、まず9番アイアンの飛距離を把握します。そして9番アイアンの倍がドライバーの飛距離になります。ヘッドスピード45m/sの方でウッドの番手間飛距離差は15ヤードですが、、ドライバーと3番ウッドに限り倍の飛距離差となるため、ドライバーの飛距離から30ヤード引いた距離が3番ウッドの飛距離となり、そこから15ヤード刻みで5番ウッド以降の飛距離が算出できます。

例えばヘッドスピード45m/sの方で9番アイアンが135ヤードなのでドライバーは270ヤードとなり、3番ウッドは240ヤード、5番ウッドは225ヤード、7番ウッドは210ヤードとなります。

ロフト角が少なくなればなる程サイドスピンの影響が大きくなるため、球筋がスライス系の方は9番アイアンが130ヤードでも、上記のような飛距離まではでません。5~10ヤードは短くなると思って下さい。

この飛距離を目安としラウンドで実際に打ってみて、残り210ヤードから7番ウッドで打ったのに届かなかった、自分の7番ウッドの飛距離は200ヤードだ、いう具合にフィードバックして自分の飛距離を作り上げて下さい。

3.女性の飛距離の目安

3.女性の飛距離の目安

前項ではドライバーのヘッドスピード45m/sという男性の平均的な飛距離の目安でお話ししましたが、では女性の平均的な飛距離の目安はどのくらいになるでしょうか。

計算方法としては全く同じです。女性の平均的なヘッドスピードは35m/sですが、この場合9番アイアンの飛距離は100ヤードです。ドライバーの飛距離はその倍なので200ヤードになります。フェアウィウッドの番手間飛距離の差はヘッドスピードの1/3でおよそ11ヤードなので、3番ウッドはドライバーの飛距離から22ヤード引いて178ヤード、5番ウッド以降は11ヤードづつ引いて167ヤード、7番ウッドは156ヤード、9番ウッドは145ヤードです。フェアウェイウッドの飛距離の目安にされて下さい。

4.ヘッドの形状による飛距離の違い

フェアウェイウッドにはヘッドの厚みがあるディープフェースのタイプと、薄めのシャローフェースのタイプがあります。

ディープフェースのタイプは縦幅に体積を使うため投影面積が小さくなり、コンパクトに見え、操作性がよくなるというメリットがありますが、その反面、球が上がりにくいというデメリットもあるため、飛距離はでにくいです。

一方シャローフェースのタイプは、球が上がりやすく飛距離はでます。またフェースが縦に対して横に広い分、左右のミスが軽減されるため、方向の安定性もいいのが特徴です。

デメリットとしては左右に強い分、縦のミスに弱く、さらに左右が安定しているということは、逆に言うと操作性がよくないということになります。

フェアウェイウッドを購入される時は、この辺りも考慮してご検討されることをお奨めいたします。

5.ティーアップする時と直で打つ時で飛距離は変わる

5.ティーアップする時と直で打つ時で飛距離は変わる

5-1.ボールの位置と打ち方の違い

ティーアップする時のゴルフボールの位置は、3番ウッドで左足踵からボール1個分内側、5番ウッドや7番ウッドで1.5から2個分内側に置きます。打ち方はドライバーのように横からヒットするように打ちます。

地面から直に打つ時は、ボールの位置をティーアップする時のさらに1個分内側にします。打ち方は「払うように」とよく言われていますが、いずれの番手でも地面から直に打つ時はダウンブローに打った方がスピン量も安定し、確実に安定したショットができます。払うようにするといろんなミスが誘発されるため、難しくなるのが実際のところです。

特にディープフェースのフェアウェイウッドは厚みがあり、ダウンブローに打たなければフェース中央にある芯に当てることができないため、打ち方に気を付けて練習してみて下さい。

ティーアップする時と直で打つ時でこのようなボールの位置や打ち方の違いがありますが、地面から直に打つ時の方が飛距離は10ヤード程落ちると考えて下さい。ボールを内側に置いてダウンブローに打つためスピン量が増えるのと、スライスボールになりやすいためです。セカンドショットでフェアウェイウッドを使用する場合はこのことを理解してクラブ選択をされると、コースマネジメントがよりうまくいくはずです。

5-2.目標への狙い方の違い

ティーアップする時はターゲットに向かって真っ直ぐに狙ってもいいですが、地面から直に打つ場合はスライスになりやすいことを考慮して下さい。7番ウッドよりも3番ウッドの方がスライスは出やすく、曲りも大きくなりやすいので注意が必要です。

つまりターゲットに向かって左を狙い、その方向にバンカーなどのハザードがないこと、大きなスライスになっても右が十分広いこと、ターゲットの手前もハザードがないことを確認して、それがクリアできた時に思い切って振っていって下さい。必ず良しとできる範囲の結果になります。

逆にターゲットの周辺の状況が悪い場合はアイアンなどで刻んで下さい。スコアメイクのためにはアイアンに落とす勇気も必要です。それが出来るようになったとき必ず一歩上達します。

6.セカンドショットでフェアウェイウッドが使えるシチュエーションと飛距離

6-1.フェアウェイとラフによる違い

フェアウェイでは残りの距離に応じてそれに合ったクラブをそのまま選択して問題ありませんが、ラフの場合は違います。残りが220ヤードだからというだけでラフに入ったボールを3番ウッドで打ってはいけません。ボールの状況をよく観察してからクラブ選択を行って下さい。

まずボールが完全に浮いているときはティーアップしている時と同じ状態なので、比較的打ちやすいですし、距離に応じた番手をそのまま選んで問題ありません。

次にボールが半分ラフに沈んでいる時は迷うところですが、欲を抑えて飛距離に応じた番手よりも1番手落として下さい。3番ウッドの距離だったら、5番ウッドという具合いです。そしてボールが完全に沈んでいる場合は、ウッドの選択は捨てて下さい。8番アイアンや9番アイアンなどのショートアイアンで打って下さい。

ラフは思ったよりも強いです。フェアウェイウッドではヘッドの重みが小さいため、ボールに届く前に押し戻されてしまい、チョロかトップにしかなりません。

またフェアウェイでは先にお話しした通りティーアップした時の飛距離のマイナス10ヤードで考えますが、ラフでは飛距離がどのようになるか全く予想ができません。ラフがどのくらい強いか、どのくらい深くて芝がどのくらい絡んでくるか予想が難しいためです。

フェアェイウッドを選択するシチュエーションなので200ヤードは残っていますが、そのラフからグリーンをとらえるのはプロでも至難の業です。200ヤードからのラフは刻むのが正しい選択と言えるでしょう。

6-2.ライによる違い

左足上がりのライでは、フェアウェイウッドは全く問題なく使えます。しかしロフトが寝てしまうことになるため、高く上がる分、飛距離が落ちることに注意してください。

左足下がりのライでは難易度が上がり、フェアウェイウッドでは難しいライになります。スライスの低い弾道になりますいため、それを考慮した狙い方が必要です。飛距離は低い弾道のためランが出やすくなる分、計算が難しくなります。ターゲット周辺の状況を見て、クラブ選択を行って下さい。

つま先上がりのライではクラブを短く持たないといけないため、つま先上がりの度合いによりますが飛距離が落ちることを計算に入れて下さい。およそ1インチ短く持てば5ヤード落ちます。

つま先下がりのライでは腰を落としてフルスイングしないことが条件になりますので、つま先下がりの度合いによっては飛距離は半分くらいまで落ちます。刻むことを優先したマネジメントに切り替えて下さい。

6-3.ロングで2オンの落とし穴

パー5のロングホールで2オンすることは、ゴルファーなら誰もが憧れます。イーグルパットを打ちたいものです。入ってイーグルなんてとれば大騒ぎでしょう。

しかし現実は違います。3番ウッドの飛距離が残った時、一度冷静になって次のことに気を付けて下さい。ボールはフェアウェイにあるのか、スタンスを取ったとき平らかまたは左足上がりのライか、グリーン右は広いか、の3つです。これをクリアできた時に初めて2オンを狙って下さい。右が狭いのに打ってしまったら、それが気になってスライスのOBになるのは必至です。

7.飛距離を落とさないように気をつけたいこと

7.飛距離を落とさないように気をつけたいこと

飛距離は風や高低差を考えなければ、ヘッドスピードとミート率でほぼ決まります。この2つをキープするためにするべきこと、それは短く持って振り切る練習をすることです。

短く持つと距離が落ちそうですが、芯をとらえやすくなることでミート率が上がるため、飛距離は落ちません。それどころか逆に延びることさえあります。

また短く持つことと合わせて振り切ることも重要で、曲げたくないからとゆっくり振ったり合わせにいってしまうと、ダフったりスライスフック球のミスも出てしまいます。

常に100%のスイングをするのが、一番安定することを覚えておいて頂ければと思います。

8.まとめ

フェアウェイウッドで飛距離が稼げれば、ベスト更新できるのにという方は多いと思います。フェアウェイウッドは助けてくれる時もありますが、逆に命取りになることもあります。それを決めるのは、状況に応じた自分のクラブ選択が全てです。欲に負けることなく冷静に状況を判断して、正しいシチュエーションでフェアウェイウッドを有効に使えれば、ベスト更新はすぐに達成できます。