ドライバーの飛距離をアップさせるためにトレーニングをするべき箇所はたくさんあるのですが、握力はドライバーの飛距離に影響を与えるのでしょうか?
ゴルフのスイングを行う時の握力については、多くの諸説が存在しております。それは、クラブは握力はユルユルに握る方がよいという理論や、クラブはしっかりと握った方が良いという理論、基本的にはユルユルでショットインパクトの瞬間はクラブをしっかり握る理論など、この握力という観点に限ると数多くの理論が存在しております。
この問題は非常にデリケートであり、重要な問題であります。なぜなら、この理論については、諸説が多くあり、さらに真逆の事を言っていることが多いのでどれがいったい正しいのかが難しいのです。そのため、今回は数多くの理論について調査をしましたが、その中でも私が最適だと思う説についてご紹介したいと思います。
目次
1.スイングにおいて、グリップをユルユルに握るという意味
2.グリップへの握力はインパクトの時に最大になる
3.スイング中にグリップがずれる
4.プロだってインパクトの瞬間は握る力が強い
5.ドライバーの飛距離を伸ばすための人間の力は末端から
6.飛距離アップのための握力を増やすためのトレーニング
1.スイングにおいて、グリップをユルユルに握るという意味
多くのゴルフ雑誌や、初心者向けのテキストにはクラブを握るときは、ユルユルが良いと書かれていることが多いです。そのユルユルさ具合も大きいものでは、小鳥やハムスターを抱きかかえるようなイメージでと指導しています。
このように、書かれている初心者向けのテキストが多いのですが、これは本当でしょうか?このユルユルに握る方法というのは、ある意味正解で捉え方によっては間違いであるとも言えます。スイングの一連の動作の中で、常にグリップがユルユルであるという事はないのです。
それでは、何故初心者にそのような指導をするのでしょうか?その理由は、初心者特有の動作によるものなのです。クラブを振り慣れていない初心者が飛距離を出そうとしたりする場合、ほとんどの人がスタンスの時点でクラブを握りつぶしてしまうかのごとく握りしめてしまっているのです。
そのようなことをしてしまっては、一連のスイング動作が終了するまでその状態がもたないですし、仮にその状態を保つことが出来たとしても、それだけ力が入っているとなめらかなスイングが出来なくなるのです。そのため、ゴルフ初心者に教える際は、握力を使わずクラブをユルユルに握る事を指導しているのです。
2.グリップへの握力はインパクトの時に最大になる
一連のスイング動作の中で、グリップを握る力は刻々と変化するのです。確かに、スタンスで構えた時に優しく握ることに間違いはありません。オーバーザトップの位置に来るまでは正しいグリップは緩いままと考えてよいです。
しかし、ダウンスイングに入りインパクトに入るまでに自然とグリップを握り込んでいき、最終的にはインパクトの時点ではグリップを握りしめている状態こそが正しい状態なのです。そして、フォローに向かうにつれて、また徐々にグリップが緩んでいき最終的には、スタンス時と同じ圧力でグリップを握ることになります。
字で読んでみるとなんだか難しそうな動作をしていると感じてしまうかもしれませんが、実際はそうでもなく、あまり意識しなくても体の構造上そのような動きになるのが普通なのです。
しかし、初心者はユルユルに握れといわれると全ての動作でユルユルを導入しようとしてしまいます。一生懸命なあまり勘違いしていまうのです。しかし、ユルユルを意識するあまり、全ての動作においてユルユルで終えてしまっては、それによる弊害も出てくるのです。
3.スイング中にグリップがずれる
皆さんは、ユルユルを意識するあまり、全ての動作をユルユルで完了させようとしたときに、インパクトの瞬間にグリップの位置がずれて、弱々しいスライス玉になったことはないでしょうか?
これの一つの原因としては、グリップが弱いために起こるのであります。つまり、ボールに当たり負けしてしまい、グリップがずれてしまいクラブフェースが極端に開くことによって、この状態は起こってしまうのです。
もう一つの原因は、単に握力不足であることが多いです。特に女性に多い症状で練習中やコースラウンド中に疲労が蓄積することで元々弱い握力がさらに弱くなってしまい、スイングが乱れることによりクラブとゴルフボールがスイートスポットに当たらなかった時に、当たり負けを起こして、クラブフェースが開いてしまうのです。
前者は、クラブを握る際のイメージを変えることで解消することはできますが、後者の握力が弱いことに起因する症状については、握力のトレーニングをする必要があります。
4.プロだってインパクトの瞬間は握る力が強い
初心者にユルユルな握りを教えるプロでさえ、インパクトの瞬間は握る力が最大になっているのです。夏場の半そでの時のスイングショットを見てみるとわかりますが、テークバックからオーバーザトップになるまでの間は、プロの腕は自然な状態で上がっていると思います。クラブを握りしめていないので、動作がスムーズなのです。
しかし、オーバーザトップからダウンスイング、そしてインパクトへの流れの中で、プロの左腕は力がかなり込められており、人によっては血管が浮き出るほどになっていることがあります。腕がこの状態になるという事は、手を握りしめないと起こりえない反応なのです。
噂ではプロの選手が本気で打った時に、グリップを握りつぶした等の逸話が残っております。その話が、本当かウソかは今となってはわかりませんが、インパクトの瞬間は力いっぱいだったことを物語っているのではないでしょうか。
5.ドライバーの飛距離を伸ばすための力は末端から
人間が力を込める際は、身体の末梢から中枢へ向けて動きが伝わるといわれております。非常に簡単に言うと、指先などの体の先端部分から動き始め、心臓に向かって動く力が伝達されていくという事です。
これをゴルフで例えた場合、クラブを握っている指先から手のひらに力が入り、手首、腕、肘から肩へと動きが伝わって、腰に伝わることで初めてクラブを振ることが出来るのです。そして、その動きを早くしたい時は、力を込めることが必要不可欠なのです。ほんの軽くですが、ボクシングのシャドーボクシングをしてみてください。その時は次のパターンを繰り返しやってみてください。
①手を握らずに開いたままシャドーボクシングをする
②手を力いっぱい握りしめてシャドーボクシングをする
③手を引く際は、軽く握って手を引き、パンチを繰り出す瞬間に手を力いっぱい握りしめる
どうでしたか?①のように手を握らずにシャドーボクシングをすると、何とも力ないパンチになりませんか?逆に②を実践すると①よりも早いけども疲れるし、動きがぎくしゃくしてしまいます。そして、③の場合は、なめらかに腕を引くことが出来て、力強く早いパンチを繰り出すことが出来ますよね!
ゴルフのスイングについても、これと同様なのです。インパクトの瞬間に握力を最大にすることで、瞬間的にヘッドスピードが上がるのです。そして、その瞬間の力が強ければ強いほどヘッドスピードは早くなります。つまり、ドライバーで飛距離アップさせようと思った時、握力は必要不可欠の要素となるのです。
6.ドライバーの飛距離アップのための握力を増やすためのトレーニング
それでは、ゴルフのスイングにおいて握力は重要であることはわかりましたよね。それでは、実際に握力をつけるための、毎日できる簡単なトレーニングを紹介したいと思います。
6-1お風呂でもできる握力トレーニング
・両腕を前につきだす
・手のひらを交互にゆっくりとグーとパーをする。
ポイントとしては、指先まで力を入れているのを意識して行う事が大事です。
6-2 ボールを使った練習
できれば、軟式ボールや硬めのゴムボール、テニスボールなので行うのがよい。
・小指、中指、薬指だけでゆっくりとボールを握ったりゆるめたりする。
・反対の手でも同じことをする。
6-3 新聞紙を使った練習
・新聞紙を一枚だけ開いて机の上に置く。
・片手でゆっくりと丸く握りつぶしていく。この時反対の手は使わない。
・握りつぶすことが出来たら反対の手も同じことをする。そんなに難しくないですよね!今日からでも少しずつ実践することで、徐々に握力は鍛えられていくでしょう。
7.まとめ
いかがでしたか?握力が強くないとゴルフができないわけではありません。しかし、ドライバーで誰よりも遠くへ飛ばしたいと思った時に、握力が無ければ、ボールを飛ばすことが出来ないのです。皆さんも少しずつトレーニングを行い、見た目からは想像できない飛ばし屋になって周りをあっと驚かせたいと思いませんか?